エビデンスとは?
2023.01.20いつも井上病院をご利用いただきまして、誠にありがとうございます。
本日は、気になった話題です。
医療の世界でも使われるようになって久しい言葉、
社会の中では「エビデンスを取っておくように」といったように、
”エビデンス”という言葉がよく使用されています。
この”エビデンス”、正しく意味を理解していますか?
エビデンスの意味や業界ごとの使い方を少し整理したいと思います。
エビデンスとは?
エビデンスは、英語「evidence」からきており、
「(立証するための)証拠(物件)、物証、証言、証拠、(…の)形跡」という意味です。
ビジネスシーンで使用されるエビデンスは、
他のシーンで使用する際と微妙にニュアンスが異なっており、
主に「裏付けがされているか?」という意味で使用されます。
例えば、会議の議事録やメールなど、見える形で残すことを「エビデンスを残す」と表現します。
IT業界におけるエビデンス
IT業界ではエビデンスという言葉が日常的に使用されています。
特にシステム開発を行っている部署では、
最終検証において「システムが正常に稼働しているかを示すデータ」のことを
エビデンスと表現します。(≒デバック?)
行政分野におけるエビデンス
行政分野ではEBPM(Evidence-Based Policy Making)という政策方針の中で用いられます。
EBPMは「エビデンスに基づく政策立案」であり、内閣府は以下のように定めています。
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政策の企画をその場限りのエピソードに頼るのではなく、
政策目的を明確化したうえで合理的根拠(エビデンス)に基づくものとすること
【引用元:内閣府におけるEBPMへの取組】
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医療業界におけるエビデンス
医療業界でのエビデンスは、治療方針や薬に対する科学的根拠という意味合いで使用されています。
治療法や薬が病気に対して有効かどうかは、
臨床試験などの研究によって統計学を使った効果検証され、その結果が”エビデンス”となります。
根拠に基づいた医療を意味するEBM(Evidence-Based Medicine)として使われることが多いです。
以下は公益社団法人日本理学療法士協会がEBMとは何かを示したものです。
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個々の患者のケアに関わる意思を決定するために、
最新かつ最良の根拠(エビデンス)を、一貫性を持って、明示的な態度で、思慮深く用いること
入手可能で最良の科学的根拠を把握した上で、個々の患者に特有の臨床状況と価値観に配慮した医療を行うための一連の行動指針
個々の患者の臨床問題に対して、(1)患者の意向、(2)医師の専門技能、(3)臨床研究による実証報告を統合して判断を下し、最善の医療を提供する行動様式
【引用元:EBMとは – 公益社団法人 日本理学療法士協会】
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エビデンスの使い方・使用時の注意点
それではエビデンスという言葉はどのように使われることが多いのでしょうか。
実際に例文をみていきましょう。
例文集
「本日行った会議のエビデンスを送っていただけませんか?」
→この場合は会議の議事録を求められていることになります。
(・・・議事録っていえばいいじゃぁないか。。。どこかの都知事かよ。)
「この内容に関してエビデンスの提出をお願いします。」
→提示した内容について根拠となる情報を提示してほしいと言われているので、
なんらかの食い違いが発生した可能性があります。
この場合は、メール内容や記録したデータの提出を求められていることになります。
使用時の注意点
職種や業種によって意味が異なるので、エビデンスを使用する際には、
相手が言葉の意味を正しく理解しているのかも重要になります。
状況や人に応じて使用すべきかどうかを判断しましょう。
まとめ
エビデンスという言葉について、意味や業界ごとの使い方を紹介してきました。
医療業界でも“流行り言葉”はあります。
はじめは、受け売りで使っているかもしれませんが、表現方法の幅を広げることも大事です。
同時に本来の意味(英語言語の意味や和製英語など)を確認し、
業界ごとの違いも身に付けると自らの成長に繋がります。
スキルや専門知識だけでなく、教養にも貪欲でありたいものです。